開催テーマ

「共感の時代」と呼ばれる現在。私たちが作っている使用説明は、今の時代を生きる人々に共感されるものになっているだろうか。
使用説明は、大量生産時代の効率化や標準化で、ある程度の方法が構築された半面、使用説明を取り巻く環境の急激な変化に追いついていないのが現実である。
また、国際規格の改訂により、使用説明はリスクマネジメントや説明責任を担う重要な位置づけとなった。
今こそテクニカルコミュニケーションの原点に立ち返り、共感の時代に最適な使用説明を提供していくために、私たちテクニカルコミュニケーターに何ができるのか、考えてみたい。

開催ごあいさつ

TC協会会長 綿井 雅康

一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会
会長

本年度のテクニカルコミュニケーションシンポジウム(以降、TC シンポジウム)の全体テーマは「共感のテクニカルコミュニケーション ~誰のために、何のために、どうやって~」です。使用説明を取り巻く環境が変化するなかで、テクニカルコミュニケーションのあり方を、「共感」をキーワードとして「誰のため、何のため、どうやって」という視点から改めて考える機会になると存じます。
共感とは、一般的に、相手の感情を理解し共有しようと試みる感覚だとされています。私たちが互いにわかりあい、相互に信頼し、助け合う基盤となる感覚であり、人としての「優しさ」の根源だといえます。動物行動学者フランス・ドゥ・ヴァールは、「共感」について、哺乳類の進化において共通した特性であり(例えばチンパンジーも共感することを示しています)、人間が新たに 獲得した特性ではなく、脳の「古い層」による作用として本能的に備わったものだとしています。いうまでもなく今日の社会は、科学技術や情報技術が進化するとともに、経済効率や利益優先など利己的な動機や競争原理が優先され、人間の本能である相手への思いやりや共感を発揮することが難しくなっています。
本シンポジウムを通じて、使用説明を必要とする人々の「わからなさやとまどい」に共感するとともに、そうしたひとびとが懸命になって「わかろう、使おう」とする気持ちに思いを馳せることを再確認することができればと存じます。また、共感は相互作用でもあります。読み手や使い手への思いやりや優しさを感じられるマニュアルや製品に対して、人々は共感を覚えるのではないでしょうか。コミュニケーターのみならず、ユーザーも、開発者も、誰もが共感しあえる使用説明の姿を追求すべく、参加者の皆様の活発なご議論と情報交換を期待しております。

経済産業省 鈴木 英之

経済産業省
商務情報政策局
文化情報関連産業課
課長補佐

関係各位のご尽力により、TC シンポジウム2015 が盛大に開催されることを心よりお慶び申し上げます。
経済産業省では、クールジャパン戦略として、ゲーム、アニメ、音楽等のコンテンツに代表される日本の文化・ライフスタイルの魅力を付加価値に変え、海外展開を促進し、日本の経済成長(企業の活躍・雇用創出)につなげる取組を実施しております。今回のシンポジウムのテーマである「共感」は、コンテンツを始めとする日本の魅力的な製品を生み出すうえでも非常に重要なキーワー ドとなります。例えば、コンテンツを選び、理解し、楽しむにあたっては、ストーリーやキャラクター等への「共感」がインセンティブの一つとなります。また、大ヒットを生み出したコンテンツには、必ず「共感」の要素が多く内包されており、コンテンツ産業においても「共感」を呼ぶコンテンツ作りが重視されています。このように「共感」は様々なコミュニケーション分野に不可欠な要素であり、本シンポジウムでの活動をきっかけとして、テクニカルコミュニケーションをさらに進化させていただければと存じます。
今回のシンポジウムでは、基調講演、特別セッション、TC 関連商品紹介発表&展示会、日本マニュアルコンテスト2015 表彰式など多彩なプログラムが企画されています。これらのプログラムや、今後のテクニカルコミュニケーター協会のさらなる取り組みによって、皆様の活躍の場が拡大することを期待しております。
結びに、TC シンポジウム2015 の成功と、貴協会及び御関係の皆様の一層の発展を祈念いたしまして、私の挨拶といたします。

実行委員長 牛山 忠明

パナソニック株式会社
環境・品質センター
安全・品質部 部長

今年のTC シンポジウムのテーマは、「共感のテクニカルコミュニケーション ~誰のために、何のために、どうやって~」です。
テーマ選定の背景は、「共感の時代」と呼ばれる現在のなかで、使用説明の位置づけは、重要度を増してきています。使用説明そのものアプローチは、大量生産に対応する効率化、グローバル化に対応する多言語翻訳、電子化に対応するマルチデバイスなど技術革新を遂げてきました。しかし、使用説明の表現技術は、紙の時代から大きな進化がなく、「共感の時代」にふさわしいアプローチをしていくことが求められています。
今こそテクニカルコミュニケーションそのものという原点に立ち返り、「共感の時代」にふさわしい使用説明を提供していくために、私たちテクニカルコミュニケーターに何ができるのか、何をすべきなのかを考える機会として頂けたら幸いです。
京都開催の基調講演では、日本ほめる達人協会の西村貴好様に「共感が相手の心の扉を開く!ほめる達人だけが知っている魔法の言葉」をテーマにお話いただきます。
人は、ほめられると笑顔になりプラス思考になります。ほめることでお互いを認め合い、そして共感する。使用説明も、製品の長所を使い手に伝える意味で共通するところがあります。これからTC に携わるかたも、既にTC に携わっておられるかたも是非、お聞きいただきたいと思います。今年は、「原点回帰」をテーマにした、制作技術、UD、プロセス、翻訳、人材育成などのプログ ラムを取り揃えております。
市場環境の変化が激しい中、もう一度、原点に立ち返ってTC についてみなさまとディスカッションをしたいと思います。また、同時に開催される日本マニュアルコンテスト2015 マニュアルオブザイヤー(MOY)の公開審査を行い、2015 年度の最も優れているマニュアルを決定します。
関係者の皆さまのご参加を心からお待ちしております。

東京実行委員会代表 遠藤 幸夫

ヤマハ株式会社
楽器・音響開発本部
マニュアル制作室 室長

今年のTC シンポジウムのテーマ「共感のテクニカルコミュニケーション」。このテーマを見て、皆様はどのように感じられたでしょうか。 テクニカルな文面が綴られるマニュアル(使用説明)と言えど、「共感」あるいは「実感」を持って読まれたいものです。マニュアル制作側に、単に機能説明だけでなく製品に込められた価値や魅力を伝えたい思いがあるように、ユーザー側にも仕事や趣味など日常生活の中で製品を有意義に使いたい、との思いがあるからです。制作側が伝えたいこととユーザー側が知りたいこと、この両者がうまく噛み合ったとき、「共感」が生まれるのだと思います。その「共感」を演出するためにも、我々マニュアル制作側は、自分たちがテクニカルコミュニケーターであることを再度自覚し、その存在意義を改めて考え直す必要があると感じています。
DTP がマニュアル制作手法の基盤として定着して約25 年、翻訳メモリーがローカライズプロセスとして定着して約15 年の月日が流れ、その間に様々な改善や進化がありました。今後は文書構造化がもっと広がりDTP からCMS の時代へ、翻訳メモリーだけでなく機械翻訳も活用していく時代に移行していくことでしょう。しかし、どんなにテクノロジーが進化しても、マニュアル制作側とそれを読んでくださるユーザー側との間の「コミュニケーション」がちゃんと機能しているのか、については常に意識しておきたいものです。今年のシンポジウムでは、こういったテクニカルコミュニケーションの「原点」に立ち返ろう、との主旨も盛り込まれていることを是非知っていただければ、と思います。
では、皆さんにとって有意義な期間となりますよう!

【東京開催】プログラム詳細

TC シンポジウム2015【東京開催】に参加いただくには、入場券が必要です。
入場券は2 日間共通で、基調講演、パネルディスカッション、ミニセッション、TC 協会発表、事例・研究発表、TC 関連商品紹介、および展示会・情報プラザに参加できます。
特別セッションに参加希望の方は、入場券と特別セッション券が必要です。
本プログラムでは、次のような企画について、それぞれの内容をご紹介しています。。
時間割

基調講演今年の基調講演者は、コミュニケーションディレクターの佐藤 尚之氏です。

パネルディスカッション9 セッション(1 セッション150 分)

テクニカルコミュニケーションの基本から旬な話題までを幅広く取り上げ、制作プロセスやツールなどに関する技術動向、業界動向などについて討論する セッションです。3 名ほどのパネリストが一緒に登壇し、各セッションのテーマに関して、最新の取り組み事例や動向を紹介し、今後の動きや留意点などをディスカッションを通じて浮き彫りにします。コーディネーターは、ディスカッションの進行をコントロールする役割を担います。

ミニセッション8 セッション(1 セッション60 分)

TC の基本から旬な話題までを幅広く取り上げ、制作プロセスやツールなどに関する技術動向、翻訳関連情報などについて講義や討論する1 時間枠のセッ ションです。

特別セッション5 セッション(1 セッション150 分)

日本語および英語ライティング、UX やサービスデザイン、HTML コンテンツ制作など、実務経験豊富な講師による実戦的なセッションです。講師が、テー マ別にスキルや知識を解説し、学習と自己啓発の機会を提供します。
参加するためには、ご希望の特別セッションごとに事前のお申し込みが必要です。

協会発表4 セッション(1 セッション60 分または150 分)

TC 協会が実施している各ワーキンググループの成果の発表、厚生労働省からの機械包括安全指針の解説などを行う企画です。

事例・研究発表8 セッション(1 セッション60 分)

TC 分野または関連分野の業務に携わる方々や、研究をされている方々による、事例・研究発表です。

TC関連商品紹介15 セッション(1 セッション60 分)

商品展示&プレゼンテーションに参加を申し込んだ企業により、使用説明の制作に役立つソリューションやツールを紹介します。紹介されるソリューションやツールは、展示会場において触れてみることもできます。

【京都開催】プログラム詳細

TC シンポジウム2015【京都開催】に参加いただくには、入場券が必要です。
入場券は3 日間共通で、基調講演、パネルディスカッション、ミニセッション、TC 協会発表、事例・研究発表、TC 関連商品紹介、および展示会・情報プラザに参加できます。
特別セッションに参加希望の方は、入場券と特別セッション券が必要です。 本プログラムでは、次のような企画について、それぞれの内容をご紹介しています。
時間割

基調講演今年の基調講演者は、西村 貴好氏です。

パネルディスカッション9 セッション(1 セッション150 分)

テクニカルコミュニケーションの基本から旬な話題までを幅広く取り上げ、制作プロセスやツールなどに関する技術動向、業界動向などについて討論するセッションです。3 名ほどのパネリストが一緒に登壇し、各セッションのテーマに関して、最新の取り組み事例や動向を紹介し、今後の動きや留意点などをディスカッションを通じて浮き彫りにします。コーディネーターは、ディスカッションの進行をコントロールする役割を担います。

ミニセッション10 セッション(1 セッション60 分)

TC の基本から旬な話題までを幅広く取り上げ、制作プロセスやツールなどに関する技術動向、翻訳関連情報などについて講義や討論する1 時間枠のセッ ションです。

特別セッション6 セッション(1 セッション150 分)

日本語および英語ライティング、校正・校閲、使用説明関連の規格など、実務経験豊富な講師による実戦的なセッションです。講師が、テーマ別にスキルや知識を解説し、学習と自己啓発の機会を提供します。参加するためには、ご希望の特別セッションごとに事前のお申し込みが必要です。

協会発表5 セッション(1 セッション60 分)

TC 協会が実施している各ワーキンググループの成果の発表、厚生労働省からの機械包括安全指針の解説、海外TC 団体の協力による専門家から最新状況の紹介を行う企画です。

事例・研究発表11 セッション(1 セッション60 分)

TC 分野または関連分野の業務に携わる方々や、研究をされている方々による、事例・研究発表です。

TC関連商品紹介10 セッション(1 セッション60 分)

商品展示&プレゼンテーションに参加を申し込んだ企業により、使用説明の制作に役立つソリューションやツールを紹介します。紹介されるソリューションやツールは、展示会場において触れてみることもできます。

日本マニュアルコンテスト20153 セッション(MOY 公開審査30 分、事例紹介20 分、表彰式10 分)
場所:バズホール

「日本マニュアルコンテスト2015」で、入賞された作品の中から最も優れている作品" マニュアル オブ ザイヤー(MOY)" を選定する公開審査会を行います。その後、公的機関による最近の事故情報事例紹介を行います。また、MOY の審査結果発表後、受賞された作品の表彰式を行います。