HCD検®認定TCエンハンス試験
HCD検®認定TCエンハンス試験は、人間中心デザイン(HCD)基礎知識体系をベースとしたHCD基礎検定と、テクニカルコミュニケーション・コンプライアンス・製品安全の基礎知識をベースとしたTCエンハンス試験の両方の認定を一度に受けることのできるオンライン試験です。TC技術検定試験と併存するオンライン試験として、2024年度から新たに実施します。
HCD検®認定TCエンハンス試験とは
人間中心デザインの基礎知識を問うHCD基礎検定と、テクニカルコミュニケーションのエンハンス知識を問うTCエンハンス試験をセットにした試験です。
HCD検®認定TCエンハンス試験の半分を占めるHCD基礎検定は、一般社団法人人間中心社会共創機構(HCS共創機構)が実施する「HCD基礎検定」と同等の試験内容と採点基準で行います。
あとの半分を占めるTCエンハンス試験は、一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会内の標準制作工程検討ワーキンググループで研鑽してきたテクニカルコミュニケーション技法教材をベースに標準規格策定委員会が体系化した知識を問う試験です。独自の試験内容と採点基準で行います。TC技術検定試験とは問う内容が異なる別の認定試験として実施します。
人間中心デザインとは
人間中心デザイン(HCD、Human Centered Design)とは、『顧客起点と共創でを前提に、仮説⇔検証プロセスを、素早く繰り返す』ことをコンセプトにした、人間=利用者を中心とした製品・サービスづくりのことです。ベースとなる取り組み方はISO 9241-210:2019として国際規格になっています。日本では特定非営利活動法人 人間中心設計推進機構(HCD-Net)が「HCDの基礎知識体系」として整備してきました。
テクニカルコミュニケーションのエンハンス知識とは
TC技術検定試験で問う技術体系が整備された後に発展、拡張されたテクニカルコミュニケーション技法を指します。IEC/IEEE 82079-1:2019およびISO24183:2024を中核とする現行国際規格を拠り所として標準制作工程検討ワーキンググループが次世代テクニカルコミュニケーター育成教材として研鑽してきた内容をベースに、標準規格策定委員会が新たに体系化しています。経験則を主対象とするTC技術検定とは異なり、製品安全に関する国際規格要求を主対象に据えます。
HCD検®認定TCエンハンス試験の目的
ふたつを意図して実施します。一つは、2022年以降に高等教育で取り上げられるようになった人間中心デザインの知識を、履修対象にならなかった世代が学ぶ場とすることです。もうひとつは、国際規格に基づくプロセスとしてのテクニカルコミュニケーションの理解を深め、製品安全の社会実装に実務者として寄与できるテクニカルコミュニケーターを育成することです。
HCD検®認定TCエンハンス試験の出題範囲
HCD 領域の出題範囲
HCD 基礎検定の出題範囲はこちらです。
なお、出題範囲は社会や技術の動向を踏まえて随時見直すものとし、内容の追加、変更、削除などを行う場合がありますので、あらかじめご承知おきください。
- 理念
人間中心デザインの理念、「デザイン」の概念、関連する考え方 - 計画
人間中心デザインの計画、ユーザーの特定、プロセスの選定および最適化 - 要求定義
利用状況の把握、理想の利用状況の想定、潜在・本質的要求の把握、提供価値・要求の定義、要求のモデル化 - 具現化
アイデアの創造、アイデアの視覚化、デザイン原則の適用、情報構造、インタラクションデザイン - 評価
専門家による評価、利用者による評価 - 運用
実利用状況の把握 - 基本知識
情報デザイン、人間の特性、ユーザビリティ、アクセシビリティ、テクニカルライティング/UX ライティング - 背景
人間中心デザインの拡がり、HCD 専門家との連携
TC 領域の出題範囲
利用者に提供する情報をつくる技法だけでなく、つたえる(伝わる結果を残す)技法、つかう(必要とする場所と時に読める)技法、そしてより広い領域の人々につかってもらう(体験価値に寄与する)ための情報発信技法を学びます。
表現術であるテクニカルライティング技術は本試験の対象には含みません。
- 理念
テクニカルコミュニケーションの定義、コンプライアンスなど理解しておくべき関連情報 - 計画
テクニカルコミュニケーションの制作に必要なプロセス - 要求と要件
製品安全などの法令規格の理解と可視化。対象となる製品サービスに則した想定利用者と情報内容と情報構造などの要件定義。 - 評価
リリース前の検査と校閲 - 改善
フィードバックに基づくプロセスの改善 - 基本知識
V モデルをベースとする、テクニカルコミュニケーションに必要な専門技法
HCD検®認定TCエンハンス試験の学習方法
受験申込者に試験実施日の2週間前から開示される「TCエンハンステキスト」をTCエンハンス試験専用サイトからダウンロードし、試験前まで各自で学習します。HCD基礎検定、TCエンハンス試験それぞれのテキストを使用します。テキストはPDF形式で、それぞれ約80ページ、合計で約160ページです。
HCD検®認定TCエンハンス試験の実施と合否判定
製品安全に関する法令規格要求およびテクニカルコミュニケーションの各工程で用いる代表的な手法、必要とされる専門用語を正しく理解していること、また、それらがどのような背景や必要性から生じたのかについて理解し、実務上のポイントを説明できることを確認します。HCDの理念を理解し、HCDを実践する際に考慮すべき人間の身体的・認知的諸特性や、HCDの活動で用いる代表的な手法・プロセスと実務上のポイントに関する知識を確認します。試験は指定日時にオンラインで実施します。HCD基礎検定として50問、TCエンハンス試験として50問、合計100問を出題します。設問はすべて四択問題形式です。試験実施団体が定める合格ラインに到達した場合に「HCD基礎検定+TCエンハンス試験」の合格認定証を発行します。
HCD検®認定TCエンハンス試験の試験概要
名称 | HCD検®認定TCエンハンス試験(通称:TCエンハンス試験) |
受験資格 | 受験資格は特にございません |
実施日 | 2024年11月16日(土) 13:00~ ※試験時間100分・途中退出可 |
受験申込締切 | 2024年10月24日(木)17:00 |
受験料 | JTCA会員:22,000円 JTCA非会員:33,000円(税込み:事前学習システム利用料を含む) ※支払い方法は申込みサイトで確認ください。 |
実施形式 | 選択問題100問 100分 (単一選択式) PCからの一斉オンライン受験 |
出題範囲 | 人間中心デザイン(HCD)基礎知識体系をベースとしたHCD基礎検定の出題範囲に加えて、テクニカルコミュニケーション・コンプライアンス・製品安全の基礎知識をベースとしたテクニカルコミュニケーション分野の基礎知識です。 ※具体的な出題範囲に関しては、「TCエンハンス試験の出題範囲」の内容をご覧ください。また、HCD基礎検定の「出題方針と出題範囲」の内容をご覧ください。 |
事前学習 | 2024年11月1日(金)13:00~11月16日(土)12:00 TCエンハンス試験事前学習システム(オンライン)で、テキスト、映像教材による事前学習ができます。 |
合否発表 | 2024年12月2日(月) |
主催 | 一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会(JTCA) |
後援 | 一般社団法人人間中心社会共創機構(HCS共創機構) |
TCエンハンス試験を紹介した動画
CDシンポジウム2024の協会発表(2024年8月28日)での動画を参考にしてください(ただし、一部箇所は案なので日付けなどは違っています)。
推奨受験環境
端末 | Windows または macOS が使用可能なコンピューター (スマートフォン、タブレットからの受験はできません) |
OS | 以下のいずれか Windows 11 / Windows 10 / macOS 10.15(Catalina)以上 |
ブラウザ | 以下のいずれか Google Chrome 最新版 Safari 最新版 Microsoft Edge 最新版 Firefox 最新版 |
画面解像度 | 1024 x 768ピクセル以上 |
接続回線 | 速度1Mbps以上で安定していること |
その他 | JavaScriptが有効であること |
HCD検®認定TCエンハンス試験は、ご自宅などにあるPCのブラウザで受験いただけます。
※受験いただく際は、以下のドメインから必ずメール受信可能な環境にご設定ください。
@hcs-cc.org , @hcd.heartinesslt.net , @hc-exam.com , @jtca.org