開催テーマ

◎PCやモバイル端末の入出力インターフェースとしてのタブレット型製品は現在ではあたりまえのように私たちの生活に入り込んできています。同時に市場要求に応えるべく各企業は新たなサ-ビス提供を始めています。その手段系としてのクラウドの活用はキュレーションビジネスを加速させています。
◎また、私たちテクニカルコミュニケーターは製品やサ-ビスについて「見やすく」「わかりやすく」「探しやすい」情報提供を行うべく日々努力しています。
電子化された製品情報の提供方法も変化してきています。CD-ROM、機器組み込み、Web化と多様化している中、Webの提供も個々での対応からクラウドサ-ビスの活用などに変化してきています。
◎これらの変化の中で私たちはどのように行動すべきなのでしょうか。
お客様の期待する製品やサ-ビスへの究極は何かを考えると、自然に機能を理解し、自然な作法によってカンタン操作ができることでしょう。実現するためのひとつとしてゲームニクス理論があります。これはゲームの世界だけではなくあらゆる業界に共通のヒントが隠されていると思います。ただし、実現のためにはビジネス分野毎に解決すべきハードルが個々にあると考えます。究極の製品やサービスが実現していく環境下ではトリセツは不要? 私たちテクニカルコミュニケーターの役割は終わりでしょうか?いや、だからこそ我々の経験とスキルを活かした行動が求められ、そこに新たな価値がうまれるのです。
◎まさにこのような環境の変化を受けて、今回2013年のTCシンポジウムのテーマは『e-TCが価値を創り出す!』です。
テクニカルコミュニケーターとして製品やサービス提供の上流部分に深く入り込み、新たな価値提供を行う。そのためには我々は何を考え、どのように行動すればよいのか。
サブテーマとして東京開催では"キーワードはキュレーションとゲームニクス"、京都開催では"つながり、実感、次の一手"としています。その主旨は共通していますが東京/京都での価値を創り出すための独自のセッション企画によって、シンポジウムにご参加の皆様が「行動するぞ!」という実感が持てるシンポジウムを目指します。

2013年4月  株式会社 リコー

開催ごあいさつ

TC協会会長 岸 学

一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会
会長

本年度のテクニカルコミュニケーションシンポジウムテーマは「e-TC が価値を創り出す!」です。毎年、テーマの内容は、テクニカルコミュニケーションの現在の立ち位置と今後の指針を明示するものとして機能しています。ところで、ここ数年のテーマは、さまざまな角度や視点から切り込んでいますが、一貫しているのは、TC 活動に立ちはだかる重い課題である「わかりやすさ」の解明のように思います。認知心理学には、1990 年代から研究されてきている比較的古いテーマで「読み手(聴き手)意識(audience awareness)」研究があります。相手に合わせていかにうまく説明するかの基礎力として研究されているのです。ところが、この研究、ほとんど盛んになりませんでした。理由はとても簡単で、「あまりにも漠然としている」からです。研究が盛んになるための条件は、モデルや理論が提案されること、得意な人とそうでない人の違いがわかってくること、ですが、そのいずれもありませんでした。「読み手を意識するには何ができればよいのか?」「相手をよく考えることだ!」これでは話になりません。ところで、最近、ようやく、作業記憶(working memory)の量やメタ認知力が深く関わることが実証され、しかも小学生から関係がスタートすること、相手からの情報を認知する力としての対人認知や自己開示や共感性の側面が関連することなど、一挙にいろいろな知見が表れてきています。ある段階で、指数関数的に研究が華開くかもしれません。来るべき開花に備えて、シンポジウムから大いに情報を得ようと思っています。 会員相互の活発な意見交換を期待しております。

経済産業省 小松原 繁

経済産業省商務情報政策局 文化情報関連産業課
課長補佐

関係各位のご尽力により、テクニカルコミュニケーションシンポジウム2013 が盛大に開催されることを心よりお慶び申し上げます。
今回のシンポジウムで取り上げられるゲームニクスは、日本が誇るコンテンツの一つであるゲームの分野で培われてきたユーザー・インターフェースのノウハウです。電子化されたコンテンツは、新たな価値を創り出しながら、ゲームやアニメなどのコンテンツ産業を発展させるとともに、そこで培われた技術やノウハウは、コンテンツ分野だけでなく、製造業や医療分野をはじめ、様々な分野へ応用の幅を広げています。
製品やサービスの情報を受け手に対して分かやすく伝えていくためには、これからも、様々なコンテンツ分野の技術やノウハウが活用されていくことでしょう。ゲームだけなく、映像や音楽(音声)による情報伝達、さらにはアニメやコミックのノウハウも、テクニカルコミュニケーションの分野で効果的に活用できるかも知れません。日本が誇るコンテンツの技術やノウハウを上手に活用しながら、我が国の製品やサービスの強みの一つとして、テクニカルコミュニケーションがより進化していくことを期待します。
結びに、テクニカルコミュニケーションシンポジウム2013 の成功と、貴協会及び御関係の皆様の一層の発展を祈念いたしまして、私の挨拶といたします。

実行委員長 栗原 克己

株式会社 リコー
常務執行役員
プロセスイノベーション本部 本部長
品質本部 本部長

テクニカルコミュニケーションシンポジウム(TC シンポジウム)も回を重ねて記念すべき節目の25 周年を迎えることができました。これも、ひとえに会員の皆様方のご尽力とご支援の賜物と存じます。
今年のTC シンポジウムのテーマは「e-TC が価値を創り出す!」そしてサブテーマは東京開催については" キーワードはキュレーションとゲームニクス" です。お客様の期待する製品やサービスのあるべき姿のひとつは、自然に機能を理解し、自然な作法によって簡単に製品を使いこなせることではないでしょうか。PC やモバイル端末としての入出力インターフェイスとしてのタブレット型製品は現在ではあたりまえのように私たちの生活に入り込んできています。また製品の利便性を追求し、よりお客様に感動を与える価値提供について各社日々研究しており、情報と情報を結び付けて新しい付加価値をお客様に提供するキュレーションはクラウドの活用により実現が加速しています。これらの環境の中にあってテクニカルコミュニケーターは何をすべきなのか。お客様が使って感動を実現するために、経験とスキルを活かし企画、開発との新たな連携活動によりお客様起点の価値提供ができると確信します。
東京開催の基調講演では立命館大学映像学部教授であるサイトウ・アキヒロ様にゲームニクス理論についてお話していただきます。テクニカルコミュニケーターが次に起こすべき行動のヒントになると期待します。各分野の方々にご満足いただけるパネルディスカッション、特別セッション、事例発表、展示会など、多数のプログラムを用意して皆様方のご参加を心よりお待ちしています。

関西地区代表 齊藤 健

ダイキン福祉サービス 株式会社
代表取締役

製品情報の「正確さ」「探しやすさ」や「わかりやすさ」を追求していくことが、私達テクニカルコミュニケーターの役割であり、今後も基本的に変わらないことだと思います。
本年のテーマ「e-TC が価値を創りだす!」では、マルチデバイスやグラウドサービスの時代に相応しく、新たな切り口によって「企業内に集まった情報を整理し提供する」という立場から、インターネットという膨大な情報の中で「いかに情報を取りにいって分析・整理して提供する」ことができるのか。役割自体をさらに拡げて考えて行こうとしています。取扱説明書も「使ってもらう」から「次も買ってもらえる」「企業のファンになってもらえる」ものとして、お客様との有効な「つながり」の手段としての価値へと変化しています。このことは、さらに周辺サービスにまでも広がり、製品のトータル的な付加価値として「選んでよかった」と「実感」し、納得していただけることこそが重要となってきています。サブテーマの「つながり・実感・次の一手」には、まさにそのことを表しており、今まで「私達がどのようなシーンで活用するのかわかりやすくする」を、これからは、それだけに終わらないという深い意味を持たせています。具体的には、私達の経験・技術に加えて、実際に使用したお客様の「実感」を反映したマニュアル作りをする必要があり、マルチデバイス活用など、より新鮮な情報交換をする手段を構築していくことも重要な課題であると思います。最後に、シンポジウム開催が東京25 周年、京都15 周年を数える記念すべき年に、情報の発信だけでなく、受信し分析・整理する技術すべてが、テクニカルコミュニケーターの担う役割であり、「情報の受発信」という新たな視点で、「次の一手」へと挑戦する「えぇTC(関西弁)」になればと願っております。

【東京開催】プログラム詳細

TCシンポジウム2013【東京開催】に参加いただくには、3日間有効入場券が必要です。
3日間有効入場券は3日間共通で、25周年記念イベント、基調講演、パネルディスカッション、事例・研究発表、マニュアルオブザイヤー公開審査会、日本マニュアルコンテスト2013表彰式、TC関連商品紹介、展示会・情報プラザ、およびtcworld Japan 2013に参加できます。
特別セッションに参加希望の方は、3日間有効入場券と特別セッション券が必要です。スペシャル研修に参加希望の方は、25 周年記念イベント26日限定入場券または3日間有効入場券とスペシャル研修券が必要です。本プログラムでは、次のような企画について、それぞれの内容をご紹介しています。
時間割

基調講演今年の基調講演者は、立命館大学教授のサイトウ・アキヒロ氏です。

パネルディスカッション12セッション(1セッション150分)

テクニカルコミュニケーションの旬な話題を幅広く取り上げ、制作プロセスやツールなどに関する最新の技術動向、業界動向などについて討論するセッションです。3名ほどのパネリストが一緒に登壇し、各セッションのテーマに関して、最新の取り組み事例や動向を紹介し、今後の動きや留意点などをディスカッションを通じて浮き彫りにします。コーディネーターは、ディスカッションの進行をコントロールする役割を担います。

特別セッション6セッション(1セッション150分)

ライティング、企画立案、情報アーキテクチャ、マーケティング戦略など、実務経験豊富な講師による実戦的なセッションです。講師が、テーマ別にスキルや知識を解説し、学習と自己啓発の機会を提供します。ワークショップ形式による特別セッションには、参加者がその場で取り組む実習課題が含まれます。参加するためには、ご希望の特別セッションごとに事前にお申し込みください。

スペシャル研修3セッション(1セッション150分)

TC協会が取り組んでいる各種委員会やワーキンググループの活動成果を詳しく解説し、最新動向や新しい知識などの学習と自己啓発の機会を提供します。スペシャル研修は講義のみやパソコンなどの機器を使った実習などを盛り込んだ研修形式です。
参加するためには、ご希望のスペシャル研修ごとに事前にお申し込みください。
※「スペシャル研修01」につきましては、8月26日(月)のTCシンポジウム25周年記念イベント内で実施いたします。

事例・研究発表8セッション(1セッション60分)

TC分野または関連分野の業務に携わる方々や、研究をされている方々による、事例・研究発表です。

TC関連商品紹介9セッション(1セッション60分)

TC関連商品紹介に参加を申し込んだ企業により、使用説明の制作に役立つソリューションやツールを紹介します。

tcworld Japan 2013tcworld
4セッション(1セッション60分)

tekom(ドイツTC協会)とTC協会の連携により、2011年から実施している企画です。
ヨーロッパにおける市場実態を反映した事例紹介や研究発表を行ないます。
また、展示会・情報プラザにtcworldのブース展示を行ない、国際TC検定試験受験のための教材である、eラーニング「TCTrainNet」を体験することができます。
※一部のセッションは、26日(月)の25周年記念イベントにて実施します。詳細については、25周年記念イベントのページを参照ください。

*tcworld Japan 2013 はtekom が保有するブランドネームです。日本マニュアルコンテスト20132セッション(MOY公開審査会30分、表彰式40分)

「日本マニュアルコンテスト2013」で、入賞された作品の中から最も優れている作品"マニュアル オブ ザ イヤー(MOY)"を選定する公開審査会を行ないます。また、工学院大学一階のアトリウムにてMOYの審査結果発表後、入賞された作品の表彰式を行ないます。

【京都開催】プログラム詳細

TCシンポジウム2013【京都開催】に参加いただくには、入場券が必要です。
入場券は2日間共通で、基調講演、パネルディスカッション、TC協会発表、TC関連商品紹介、および展示会・情報プラザに参加できます。
特別セッションおよびスペシャル研修に参加希望の方は、入場券と特別セッション券またはスペシャル研修券が必要です。
本プログラムでは、次のような企画について、それぞれの内容をご紹介しています。
時間割

基調講演今年の基調講演者は、作家・ジャーナリストの佐々木俊尚氏です。

パネルディスカッション9セッション(1セッション150分)

テクニカルコミュニケーションの旬な話題を幅広く取り上げ、制作プロセスやツールなどに関する最新の技術動向、業界動向などについて討論するセッションです。3名ほどのパネリストが一緒に登壇し、各セッションのテーマに関して、最新の取り組み事例や動向を紹介し、今後の動きや留意点などをディスカッションを通じて浮き彫りにします。コーディネーターは、ディスカッションの進行をコントロールする役割を担います。

特別セッション4セッション(1セッション150分)

ライティング、編集デザイン、UX関連、制作ツール・管理など、実務経験豊富な講師による実戦的なセッションです。講師が、テーマ別にスキルや知識を解説し、学習と自己啓発の機会を提供します。ワークショップ形式による特別セッションには、参加者がその場で取り組む実習課題が含まれます。参加するためには、ご希望の特別セッションごとに事前にお申し込みください。

スペシャル研修2セッション(1セッション150分)

TC協会が取り組んでいる各種委員会やワーキンググループの活動成果を詳しく解説し、最新動向や新しい知識などの学習と自己啓発の機会を提供します。スペシャル研修は講義のみやパソコンなどの機器を使った実習などを盛り込んだ研修形式です。
参加するためには、ご希望のスペシャル研修ごとに事前にお申し込みください。

協会発表1セッション(1セッション150分)

TC協会が実施している学術研究・産学協同の取り組みや、標準規格策定の取り組みについて、各ワーキンググループが成果の発表を行います。ワーキンググループ活動は途中経過の段階にあるため、参加者の皆さんとのディスカッションを通じて、今後の活動に生かしていきます。

TC関連商品紹介5セッション(1セッション60分)

商品展示&プレゼンテーションに参加を申し込んだ企業により、使用説明の制作に役立つソリューションやツールを紹介します。紹介されるソリューションやツールは、展示会場において触れてみることもできます。