TCシンポジウム2013 概要

● テーマ
東京開催:e-TC が価値を創り出す!~キュレーションとゲームニクス~
京都開催:e-TC が価値を創り出す!~つながり・実感・次の一手~
● 東京開催: 2013 年8 月27 日・8 月28 日、工学院大学にて。
参加者:920 名(含む前日のTC シンポジウム25 周年記念イベント)
京都開催: 2013 年10 月10 日・10 月11 日、京都リサーチパークにて。
参加者:400 名
● 幹事会社: 株式会社リコー
● 関西代表: ダイキン福祉サービス株式会社
● 東京開催基調講演:
新しい価値を提供する「ゲームニクス理論」とは~マニュアルレス時代における利便性の追求と、ゲームニクス成立の文化的背景~(講演:立命館大学教授 サイトウ・アキヒロ氏)
● 京都開催基調講演:
「キュレーション」で実現する、新しい価値提供とは!(講演:作家・ジャーナリスト 佐々木 俊尚氏)
第25回目の開催となるTCシンポジウム2013では、東京開催において前日の26日にTCシンポジウム25周年記念行事を開催、事実上の3日間開催となりました。
TCシンポジウム25周年記念行事では、取説新時代に向けたTC協会の新しいビジョンが提示されました。国際標準への対応、国内制度依存から国際標準準拠への転換(リスクアセスメントの強化)、マルチデバイス時代への対応などが掲げられ、人材育成分野でも相応の変化が必要であるとされました。
メインテーマは「e-TCが価値を創り出す!」。キュレーションやゲームニクス理論を取り上げました。これによってユーザーとのつながりを強化し、実感や共感が重視される時代への対応を進めるとともに、ビジネスとしての次の一手を模索することが狙いです。ゲームニクス理論とキュレーションを正面から取り上げた基調講演には、参加者はもちろん企画に関わった実行委員からも大きな反響がありました。
また、大手ITベンダーや電子書籍や電子雑誌の専門家も登壇。TCシンポジウムの話題を広げるとともに、新たな視点を取り込む企画も設けられました。
震災以来途絶えていた東京開催への海外TC関係者の参加が復活したことも、喜ばしいことでした。ドイツからはtekom関係者が来日し、中国からは中国標準化協会の方々が来日、韓国からも参加者がありました。
TCシンポジウム2013の際だった特徴は、ISO/IEC82079-1が多くのセッションにおける議論の基盤となったことです。各国毎に異なっている使用説明に関するルールの国際統一の鍵として期待されているこの国際標準には、紙以外の手段による使用説明の提供を公に認めると同時にその条件も明記したこと、使用説明の提供を取扱説明書に限定せずWebや製品自体のUIを通じた提供をも対象としたことなど、これまでの使用説明の常識を覆す規定が盛り込まれています。2000年来、日本は使用説明の電子化において世界の先頭を走ってきました。国際標準がない中で日本企業が考案した電子マニュアルは、他国においても注目されてきたことは事実です。しかし、これからは、この新たな国際標準の要求に沿った方向で、電子的な手段による使用説明の提供が議論されることとなりました。


インターミッション
2012年8月に制定されたISO/IEC 82079-1 、2012年12月に改訂されたISO/IECガイド37は、TC関連業界に大きな変化をもたらしました。マルチデバイス環境の発達、スマートフォンの爆発的普及という閲覧側の環境変化と合わさって、これからさらに大きな変化を続けていくことでしょう。海外のTC関連イベントでも、これらの国際標準が大きく取り上げられ、日本国内でも景品表示法が注目を集める
など、TCに関わる標準や法律法規が改めて注目された年となりました。

TCシンポジウム2013 詳細(工事中)