TCシンポジウム2019 概要
● テーマ: 共に育つ
● 東京開催: 2019 年8 月27 日・8 月28 日、東京学芸大学にて。1,100名(74 セッションに延べ聴講者数2,450 名)
京都開催: 2019 年10 月9 日~ 11 日、京都リサーチパークにて。740 名(61 セッションに延べ聴講者数1,820 名)
● 幹事会社: 株式会社富士通ラーニングメディア
● 関西実行委員会議長会社:株式会社SCREEN クリエイティ
ブコミュニケーションズ
● 東京開催基調講演:
大谷流「ココロの元気」の作り方~感じて、興味を持って、動く人づくり~(講演:人材活性化プロデューサー、元 吉本興業プロデューサー 大谷 由里子氏)
● 京都開催基調講演:
価値観が異なる相手とのコミュニケーション~「想像力」を育て「気」を感じる~(講演:落語家 桂 福丸氏)
この年の特徴は、東京開催、京都開催ともに外部から招聘した登壇者を含むセッションが多く、またそのセッションに沢山の聴講者が集まったことでした。関係者が変化を前向きに捉え、意識を変える契機としてTCシンポジウムを活用しようとしていただいたことは、本年のメインテーマ「共に育つ」を象徴する結果となりました。 また、聴講者のWeb関連情報への興味関心の度合いとリテラシーが目に見えて向上していたこと、IT色を強めた情報デザイン知識と技能にも関係者が目を向け始めたことが顕在化した年でもありました。
過去最高の参加者数となった京都開催では、TCシンポジウムとしては極めて希な「TC関係者がひとりも登壇しないセッション」も企画されましたが、この年のトップを競う盛況となりました。しがらみのない発想と提言を前向きに捉える傾向がここにも感じられます。
併設のJMA(ジャパンマニュアルアワード)、産学協同企画(ポスター発表/テクニカルコミュニケーション・リデザイン学術研究会)への参加者が85名と大幅に増えました。TC協会事業方針「新たな聴講者層の取り組み」の成果でもあり、産学共同活動が根付き始めたことも特筆すべき変化です。
▲テクニカルコミュニケーション・リデザイン学術研究会の様子【京都開催】
●インターミッション
・ TC協会財団法人化10周年記念イベントとして(一社)ウェブ解析士協会、(一社)日本翻訳連盟とのコラボレーション企画を実施しました。3セッション合計で243名もの聴講者が集いました。TCシンポジウム参加者の3割が毎年入れ替わる傾向がこの数年続いていまます。東京開催で先行したこの傾向は2018年から京都開催でも始まりました。このような時期だからこそ近接領域を担う団体との交流の場の開設に意義があると考えて、3年連続で記念イベントを企画しました。3年目に東西合計で過去最多水準の聴講者が集うTCシンポジウムに発展したことは、その結実です。
・ 欧米や中国で顕著に観られるようになった産業関係者の学会や論壇への回帰傾向を参考にした事業計画に沿って、テクニカルコミュニケーション・リデザイン学術研究会が10月10日に京都にて発足しました。TC を取り巻く環境が激変する中で、 TC に関する学術的研究の推進を目的として活動します。 第1回となるこの年は、医療関係者と認知心理学分野の専門家を囲んで、午後いっぱい討論が続きました。ここで共有された認知心理学の新しい実証的研究成果をTCシンポジウム本体に取り込む事は、来年の課題のひとつです。
・ 前年はトライアル企画であった産学協同ポスター発表が、この年から正式企画として東西で実施されました。延べ22名(5大学、4企業)がポスター発表を実施し、聴講者は延べ68名でした。