開催テーマ

私たちテクニカルコミュニケーターは、お客さまが「探しやすい」ように情報を整理し、「理解しやすい」ように伝える役割を担ってきました。しかし、私たち自身が製品やサービスを購入し使用する立場になってみると、「探しやすい」「理解しやすい」以外の重要な要素もその製品やサービスを評価するポイントになっていることに気づかされます。
それは、製品やサービスに触れたときの「うれしい」、「楽しい」、「心地よい」という体験です。人気のある製品を見てみると、これらの体験が、製品の魅力を高める上での重要な要素であるとも考えられます。そして、必要なときに情報を「探し」「理解する」ことで、「うれしい」、「楽しい」、「心地よい」という思いは膨らんでいきます。
これからのテクニカルコミュニケーターに求められる役割。それは、お客さまがわかりやすい・探しやすい形で情報を提供することに加え、「うれしい」と感じるような感動体験を創造する役割である、と私たちは考えます。
この役割を担うためには、ライティング・デザインスキル、ツール・メディアなどの技術的スキルを磨くだけではなく、お客さまとの多様な接点において、おもてなしの心で感動体験を届ける手法 ―― ユーザエクスペリエンス(User eXperience:UX)の考え方を学んでいく必要があるのではないでしょうか。
製品やサービスの利用現場に視点を戻すと、感動体験に触れたお客さまは、例えば次のような言葉を口にします。
「とりあえず触ってみたくなるような魅力がある!」「簡単に使いこなせてしまった。何度でも使いたい!」「わからない事があったらすぐに聞きたい。親切で頼りになる!」
このような、お客さまの「やってみたい」気持ちを、我々テクニカルコミュニケーターが創造するという意味を込めて、今年のTCシンポジウムのテーマを、「"やってみたい"を創造するUX」としました。
"やってみたい"を創造するために、現場では何を考え、どう動けばよいのか。今年のシンポジウムではこのテーマを徹底的に掘り下げます。そして、ご参加くださった皆様にも"やってみたい"と思っていただけるようなシンポジウムを目指します。

2012年5月
株式会社 日立製作所
一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会

開催ごあいさつ

TC協会会長 岸 学

一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会
会長

みなさん、学校での授業や学習を思い出して、それらを次の8つに分類してください。①「わかるから面白い」、②「面白いからわかる」、③「わからないので面白くない」、④「面白くないのでわからない」、⑤「わかるけど面白くない」、⑥「面白くないけどわかる」、⑦「わからないけど面白い」、⑧「面白いけどわからない」。すべて思い当たる授業があると思います。最初の①から④までは当然といえます。①と②は完璧な授業と学習の結実です。③と④はさぞつらかったでしょう。⑤と⑥は簡単で退屈な授業だったでしょう。では、⑦と⑧は?実はこれが人間の知的活動として最も高度で高級なものと思います。「わからなさ」を解明しようとする大きなエネルギーを「面白さ」が後押しするのですから、エネルギーは持続し、増幅され、次々と新たな知が創造されるはずなのです。教員の立場からみると、この⑦と⑧の状態を引き出すために、授業内容や教材や発問などを徹底的に工夫し洗練させているのです。「面白い」という気持ちは「わからない」という認知を凌駕できる!
今回のシンポジウムのテーマは、「" やってみたい" を創造するUX」です。説明のわかりやすさを追求するのは勿論ですが、それに加えて、「面白い・うれしい・楽しい」などの要素を考えていこうという取り組みです。我々の知的探求心の根源に関わるテーマです。「面白いけどわからない」「わからないけど面白い」マニュアルとはどんなものなのでしょうか?良くないマニュアルであることは事実ですが、一考に値すると思いませんか?皆様の活発なコミュニケーションを期待しています。

経済産業省 小松原 繁

経済産業省商務情報政策局 文化情報関連産業課
課長補佐

このたびは、テクニカルコミュニケーションシンポジウム2012 が関係各位の皆様のご尽力により盛大に開催されることに、心よりお慶び申し上げます。
この春、経済産業省は技術戦略マップ2012(コンテンツ分野)を取りまとめました。この中で、今後特に重要になるコンテンツ技術分野のひとつとして、「サービス提供技術の向上」を選びました。サービス提供技術とは、ユーザーと製品やサービスとの双方向的な情報交換によって、ユーザーをこれまで以上に満足させるための技術を意味しています。このような技術の発展にはユーザー側も製品やサービスの持つ機能を十分に理解することが不可欠であり、貴協会の皆様の果たすべき役割も、より一層重要なものになると考えられます。
貴協会におかれましては、1992 年に設立されて以来、使用説明技術の向上、専門家の育成、関係者間の人的交流、標準化や国際交流の推進など、多面的な活動を着実に実施されてきております。
今回のシンポジウムにおいても、参加者の皆様が最新のテクニカルコミュニケーションの動向に触れ、これまで以上に知見を深めることとなるものと期待しております。結びに、テクニカルコミュニケーションシンポジウム2012 の成功と、貴協会及び御関係の皆様の一層の発展を祈念いたしまして、私の挨拶といたします。

実行委員長 守島 浩

(株)日立製作所
情報・通信システム社 IT プラットフォーム事業本部
開発統括本部 ソフトウェア本部 ユーザエクスペリエンス設計部
部長

日本のものづくり産業は、グローバリゼーションの潮流の中、貿易の自由化の波、円高による輸出産業の打撃、アジア諸国をはじめとする新興国の台頭と工業製品のコモディティー化の進行など国際競争の激化にさらされ、取り巻く環境は激変しています。安くて良質な工業製品が大量に流通する買い手市場の時代となり、新たな軸を持って市場価値を高めていかなければ、我々の生き残る道はないと言わざるを得ないでしょう。
四半世紀にも及ぶシンポジウムの歴史において、危機感を共有し新たな時代への希望を指し示すことを今年のテーマにしたいと考え、UX(ユーザエクスペリエンス)を選びました。UX とは、お客様が製品やサービスを購入し、それを使用する際に得られる質の高い「経験」や「体験」を作り手の提供価値とする考え方です。
ここ数年で、お客様にとって本当に重要なことは、機能や性能ではなくなってきました。その製品を使うことで、仕事が楽しくなったり、やりたかったことが簡単に実現できるようになる。お客様がシステムに合わせるのではなく、システムがお客様に寄り添う。そのような体験や経験に大きな価値を見出し始めてきたのです。
今年のシンポジウムでは、「UX とは何か?」から、「どのようにUX を実現すればよいか?」といったことまで、様々な事例に基づき、UX について議論していきたいと考えています。
今年は、昨年大盛況でした京都会場の規模を維持して、東京と京都を同規模開催とすることにしました。その様な活気あるシンポジウムにおいて、弊社が幹事会社として微力ながら貢献させていただけること、新たなテーマでの開催にご理解をいただきましたことに、TC 協会並びに関係者の皆様に深く感謝致します。また、この様な取組みを通して、日本のものづくり産業が危機を乗り越え、益々発展していくことを祈念致しております。

関西地区代表 村田 珠美

(株)テックコミュニケーションズ
制作部マネージャー

情報の「探しやすさ」や「理解しやすさ」を、いかにしてお客さまに提供していくのか?この課題への取り組みとして、私達テクニカルコミュニケーターは「情報を整理して伝える」ことを常に追究してきました。「情報を提供する」だけでなく、いかに整理してわかりやすく伝えるかがテクニカルコミュニケーターに求められている重要な役割であることは、これからも変わることはないでしょう。
情報は五感を駆使することで、より伝わりやすくなります。視覚や聴覚はもとより、実際に触れる・体験することで、製品やサービスに親近感が増し、理解度は高まっていきます。このときにお客さまが感じる「うれしさ」や「心地よさ」をテクニカルコミュニケーターが届けられることを目指して、今年のテーマを決定いたしました。
" やってみたい" を創造するUX
このテーマへの取り組みは、使用説明をどのようなシーンでお客さまに活用していただくのかを見直す機会でもあります。使用説明は、お客さまが購入された製品やサービスの使い方を知るための情報であるばかりでなく、購入前に「使ってみたい」「試してみたい」というアクションを起すためのきっかけとしての役割をも担っていることにほかなりません。
シンポジウム開催が24 回目を数える今年は、テクニカルコミュニケーター協会の創設20 周年にあたる記念すべき年です。この記念すべき年を、情報を発信するメディアの多様性への対応はもとより、テクニカルコミュニケーターの担う役割を新たな視点で見つめなおす機会にしていただければと願っております。

【東京開催】プログラム詳細

TC シンポジウム2012【東京開催】に参加いただくには、入場券が必要です。
入場券は2 日間共通で、基調パネルディスカッション、パネルディスカッション、事例・研究発表、およびTC 関連商品紹介に参加できます。
特別セッションに参加希望の方は、入場券と特別セッション券が必要です。
本プログラムでは、次のような企画について、それぞれの内容をご紹介しています。
全体プログラム

基調パネルディスカッションTC シンポジウム2012 では、従来の基調講演ではなく、基調パネルディスカッションを企画しています。本年度の全体テーマに取り上げた「ユーザーエクスペリエンス(UX)」とは何かについて考え、実践されている事例から、モノづくりや製品のコミュニケーション設計の中で、テクニカルコミュニケーターの担う役割を多面的に掘り下げます。長年UX を実践してきた有識者や各社の現場での取り組みを実践している責任者などのエキスパート達が登壇します。

パネルディスカッション10セッション(1セッション150分)

テクニカルコミュニケーションの旬な話題を幅広く取り上げ、制作プロセスやツールなどに関する最新の技術動向、業界動向などについて討論するセッションです。3名ほどのパネリストが一緒に登壇し、各セッションのテーマに関して、最新の取り組み事例や動向を紹介し、今後の動きや留意点などをディスカッションを通じて浮き彫りにします。コーディネーターは、ディスカッションの進行をコントロールする役割を担います。

特別セッション8セッション(1セッション150分)

ライティング、編集デザイン、UX関連、制作ツール・管理など、実務経験豊富な講師による実戦的なセッションです。講師が、テーマ別にスキルや知識を解説し、学習と自己啓発の機会を提供します。ワークショップ形式による特別セッションには、参加者がその場で取り組む実習課題が含まれます。参加するためには、ご希望の特別セッションごとに事前にお申し込みください。

協会発表2セッション(1セッション150分)

TC協会が実施している学術研究・産学協同の取り組みや、標準規格策定の取り組みについて、各ワーキンググループなどが成果の発表を行います。ワーキンググループ活動は途中経過の段階にあるため、参加者の皆さんとのディスカッションを通じて、今後の活動に生かしていきます。

事例・研究発表10セッション(1セッション60分)

TC分野または関連分野の業務に携わる方々や、研究をされている方々による、事例・研究発表です。

TC関連商品紹介11セッション(1セッション60分)

TC関連商品紹介に参加を申し込んだ企業により、使用説明の制作に役立つソリューションやツールを紹介します。

【京都開催】プログラム詳細

TC シンポジウム2012【京都開催】に参加いただくには、入場券が必要です。
入場券は2 日間共通で、基調パネルディスカッション、パネルディスカッション、プレゼンテーション、およびtcworld Japanに参加できます。
tcworld Japanについては、10/3(水)から開催しています。
特別セッションに参加希望の方は、入場券と特別セッション券が必要です。
本プログラムでは、次のような企画について、それぞれの内容をご紹介しています。
全体プログラム

基調パネルディスカッションTCシンポジウム2012では、従来の基調講演ではなく、基調パネルディスカッションを企画しています。
本年度の全体テーマに取り上げた「ユーザーエクスペリエンス(UX)」とは何かについて考え、実践されている事例から、モノづくりや製品のコミュニケーション設計の中で、テクニカルコミュニケーターの担う役割を多面的に掘り下げます。長年UXを実践してきた有識者や各社の現場での取り組みを実践している責任者などのエキスパート達が登壇します。

パネルディスカッション10セッション(1セッション150分)

テクニカルコミュニケーションの旬な話題を幅広く取り上げ、制作プロセスやツールなどに関する最新の技術動向、業界動向などについて討論するセッションです。3名ほどのパネリストが一緒に登壇し、各セッションのテーマに関して、最新の取り組み事例や動向を紹介し、今後の動きや留意点などをディスカッションを通じて浮き彫りにします。コーディネーターは、ディスカッションの進行をコントロールする役割を担います。

特別セッション6セッション(1セッション150分)

ライティング、編集デザイン、UX関連、制作ツール・管理など、実務経験豊富な講師による実戦的なセッションです。講師が、テーマ別にスキルや知識を解説し、学習と自己啓発の機会を提供します。ワークショップ形式による特別セッションには、参加者がその場で取り組む実習課題が含まれます。参加するためには、ご希望の特別セッションごとに事前にお申し込みください。

プレゼンテーション10セッション(1セッション60分)

商品展示&プレゼンテーションに参加を申し込んだ企業により、使用説明の制作に役立つソリューションやツールを紹介します。紹介されるソリューションやツールは、展示会場において触れてみることもできます。

tcworld Japan 2012tcworld
12セッション(1セッション60分)

tekom(ドイツTC協会)とTC協会の連携により、2011年から実現した新たな企画です。ヨーロッパを中心に活動する国際企業が、自社の技術について研究発表やソリューション紹介を行います。 10/3(水)に5セッション、10/4(木)と10/5(金)で計7セッションを実施します。一部のセッションの発表内容と時間が変更になりましたので、会場で最新のスケジュール表を受け取り確認ください。
また、これらの企業は展示会場のtcworldコーナーにおいてブース展示を行い、ツールやソリューションを紹介しています。
10/4(木)、10/5(金)の14:00~15:00の時間帯に、tcworldの展示企業を訪問するガイドツアー(Poster Session)を実施します。案内は日本語の通訳付きです。
※tcworld Japan 2012はtekomが保有するブランドネームです。