●プレ・ヒストリー
1988年当時、テクニカルコミュニケーションを考える団体がいくつかあり、それぞれ独自の活動(勉強
会や発表会など)を展開していました。そのうちの9団体がTC連絡会を結成、翌年のシンポジウム開催を目指して「第1回テクニカルコミュニケーションシンポジウム実行委員会」を組織しました。これは、テクニカルコミュニケーターが全国規模で組織化されていく初めの一歩となりました。
● テーマ:いま、日本のマニュアルを考える
記念すべき第1回のTCシンポジウムは、1989年6月30日、日本都市センター(東京千代田区)で開催されました。
10の分科会を中心に、その前後に全体会、最後に交流パーティーというシンプルな構成ながら、600人の参加者で会場は熱気にあふれました。
先頭を切っての全体会のテーマは「トークイン 私達のマニュアルづくり」。企業内ライターやフリーのライターをはじめ、デザイナー、経営者や管理者、ユーザー代表までを含む30人のパネリストと参加者がマニュアルづくりの現状と問題点を整理しようと議論を繰り広げました。マニュアル展示会にも28の出品があり、盛況でした。
●インターミッション
テクニカルコミュニケーターの全国組織を作ろうとする気運が高まる中、交流の場を設けようという主旨で、1990年2月に新春交流パーティが開かれ、200人のTC関係者が集いました。
この年「恒常的なTC団体設立準備委員会」が発足。TC協会設立に向けた本格的な動きが始まります。