【記事】受け手に寄り添い、伝わるコミュニケーションデザインとは?

 企画検討を担うシンポジウム2022全国区実行委員会は、3回の討議を経て、コミュニケーションデザインシンポジウム2022のテーマを『受け手に寄り添い、伝わるコミュニケーションデザインとは?』に決定しました。テクニカルコミュニケーションシンポジウムとの違いを打ち出しつつ、今求められているコミュニケーションをどうやって実現するのか、誰に対して何をいつ伝えるのかを追求し、成果を8月に公開します。
 社会が大きく変動する今、産業界はコミュニケーションのデザインそのものを見つめ直し、その有り様の再構築を迫られています。JTCAは、1989年から夏季に、1999年からは加えて秋期に関西にて、テクニカルコミュニケーションシンポジウムを開催し続けてきました。しかし、本年は夏季開催をコミュニケーションデザインシンポジウムと銘打ち、自ら殻を破り、産業界におけるコミュニケーションデザインのあるべき姿の可視化とその実現に取り組みます。
 テーマの検討に際してキーワードになった言葉は「寄り添う」でした。情報過多に辟易としている利用者に情報を届けるためには欠かせない要件だと考えたからです。情報を受け取る側をしっかり想像して、優先順位をつけたり情報を整理したりすることがテクニカルコミュニケーターの強み。強みを活かして、情報提供側から情報利用側へとデザイン主体のシフトを追求します。
 コミュニケーションデザインシンポジウムは、自らについて伝えたい情報を、必要としている人に、必要としているタイミングで届けるコミュニケーションを対象に据えます。ジャーナリズムやサイエンスコミュニケーションとの違いは「自らについて語ること」であり、販売促進との違いは「自発的に必要としている人に、必要とするタイミングで届けること」です。コンプライアンスを踏まえた品質を、担当者が代わっても、組織が代わっても長年にわたり維持してきた実績がテクニカルコミュニケーション技法にはあります。これを活かしつつも、コミュニケーションのデザインそのものから見つめ直します。
 コミュニケーションデザインシンポジウム2022は、8月24〜26日にオンラインライブイベントで開催されます。

3月29日更新:「読み手に寄り添い、伝わるコミュニケーションデザインとは?」に決定したと23日に公表しましたが、25日開催の関西地区実行委員会において、説明動画なども考慮すると「読み手」では限定されすぎているという意見がでました。そこで、全国区実行委員会は「読み手に寄り添い〜」から「受け手に寄り添い〜」に変更することを29日に決定し、本記事を修正しました。