お客様が取扱説明書に求めるものは、新しく製品を使い始めるときや、新しい機能を使い始めるとき、製品を使っていて何 か困ったことが起きたときなど、必要なときに必要な情報が容易に得られ、問題が容易に解決できることです。これが取扱説明書に求められる「わかりやすさ」と「探しやすさ」という品質です。
しかしこの品質を満たすには、たとえ何らかの規格に従っていたとしても、文章やデザイン、レイアウトなどを工夫するだけで はどうにもならず、取扱説明書の構造を根底から変えて、お客様の「〜を〜するにはどうするの?」「〜って何?」などの情報ニーズ(ユーザータスク) に直接応えることができるようにする以外に方法はないと思います。
このセミナーでは、「必要なときに必要な情報がすぐに入手できる」構造の取扱説明書(UT 型トピックコンテンツと呼びます) を受講者の皆様に実際に作っていただくことで、その効果を実感していただこうと思います。このためセミナーを2 回に分け、 1 回目は講義形式でUT 型トピックコンテンツについて、その考え方、コンテンツの構造、作り方、ライティング上のポイントな どを具体的に例を挙げながら解説します。2 回目の開催はそのおよそ2 週間後とし、受講生の方々にはその間に、実際の取扱説明書を素材にしてUT 型トピックコンテンツを作成していただきます。2 回目の研修では、受講者の中から何名かの方に 作品を発表していただき、それに対する質疑応答を行ったのち、模範解答例を提示します。UT 型トピックコンテンツを小さい 規模とはいえ実際に自分で作り、また人の作品を見たり発表を聞いたりすることで、「わかりやすい取扱説明書はこれだ」と実 感していただけるのではないかと思います。
セミナー概要
※テキストの内容は多少変わる場合があります。あらかじめご了承ください。
第1 章 わかりやすい取扱説明書のための枠組み
・まずは結論から
・取扱説明書は誰が作るべき?
・ユーザー像とユーザーニーズ
・TC 技術とそのレイヤー構造
・文の構造図
・文・文章による情報伝達のプロセス図
・人に聞くとわかりやすいのは何故?
・UT を出発点にした情報伝達プロセス図
・取扱説明書をユーザータスク(UT) で構築する
・UT 型にすべきところは?
・UT 型トピックコンテンツの提供媒体
・UT 型マニュアルの制作工程
・わかりやすさの検証
・UT 型トピックマニュアルの実例
・UT 型マニュアルへの最初の一歩
第2 章 UT 型の取扱説明書を作る
・ユーザータスクを抽出する
・ユーザータスクをトピックに整理・統合する
・UT 型トピックの構成要素(情報属性) は3+1
・わかりやすい見出しを書くためのポイント
・わかりやすい機能説明を書くためのポイント
・わかりやすい操作説明を書くためのポイント
【対象者】
- マニュアル設計やライティング業務に直接従事している方
- マニュアル制作部門の管理者の方
- トピックコンテンツを作ってみたい方
- 取扱説明書の品質向上に問題意識をお持ちの方 など
【講師】
片山 雄次 (TC エキスパート)
1980 年よりTC 業界に身を置き、「わかりやすいマニュアル」をテーマにして、
「トピックマニュアル」の嚆矢となった携帯電話内蔵の「使いかたナビ」をはじめ、
携帯電話で見るhtml マニュアルなど、さまざまなマニュアルの設計・制作に取り組む。
TC 協会主催ジャパンマニュアルアワードの受賞歴も多数。
【日時/アクセス方法】
◆ 1 回目 : 講義形式で第1 章と第2 章 【3 時間+休憩(30 分)】
2023 年5 月17 日(水) 13 時 30 分~ 17 時
「Zoom ウェビナー」形式にて実施します。
資料およびZoom ウェビナー用のURL は申し込まれた方に事前に配信します。
*アクセス可能時間: 10 分前の13 時20 分から指定されたURL にアクセス可能
** 制作した作品は可能な限り2 回目のセミナー前までに提出していただきたいと思いますが、
提出されなくても結構です。
◆ 2 回目 : 制作したコンテンツの発表と質疑応答、模範解答案の解説【2 時間+休憩(30 分)】
2023 年6 月1 日(木) 13 時30 分~ 16 時
「Zoom ウェビナー」形式にて実施します。
*アクセス可能時間: 10 分前の13 時20 分から指定されたURL にアクセス可能
【受講料】
TC 協会会員: 14,300 円
非会員: 28,600 円
*金額は、資料代を含み、消費税込みです。
【定員】
30 名になり次第締切り。最小遂行人数は10 名とします。