TC00 【基調講演】マニュアルとコミュニケーション ~人為ミスの観点からの再考~ (2024.10.7更新)
セッション時間 10月9日(水)10:00 - 12:30
対象とする聴講者
正しく伝えたい、ミスが起こらないように伝えたいなどコミュニケーションについて課題を感じているテクニカルコミュニケーター(マニュアル作成担当者、マニュアル作成部門の管理者)
セッションの企画意図と概要
多くの事故がヒューマンエラーのせいで起こっています。しかしその真の原因は人間がミスをする状況の放置です。とりわけマニュアルには、人間を間違わないように誘導する重い責任があります。それができないマニュアルは事故の元凶です。
ミスを防ぐ誘導のためには、工程のあり方まで深掘りして考え直さないといけません。そこでは伝統的な作法が最良のお手本になります。工程内に必ず節目を持ち、全ての動作を一旦停止して、静寂の中で忘れや重複が無いかを点検します。これが人間にとって最もやりやすいミス対策です。
またリスク情報の扱いがマニュアルの実効性を左右します。人間は自分が納得できていない事には指示されてもなかなか行動に移しません。実行しなかった場合のリスクを語らねばならないのです。
リスク情報を収集することは容易ではありません。ヒヤリハット報告制度があっても手間がかかるので報告は低調になりがちです。待ちの姿勢ではなく、日常的に報告させる活動が最近の産業界では注目されています。
当日の資料
お申込みされた皆様には、ダウンロード用のパスワードを別途メールにてお知らせいたします。
なお、パスワードの共有はご遠慮ください。
講師
中田 亨 氏
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プロフィール
1972年神奈川県生まれ。東京大学大学院工学系研究科修了。博士(工学)。 現在、国立研究開発法人 産業技術総合研究所 人工知能研究センターNEC―産総研人工知能連携研究室 副連携室長。中央大学大学院理工学研究科客員教授。人間のミスと安全に関する研究を様々な業種との共同研究において現場主義で進めている。 内閣府 消費者安全調査委員会 専門委員。著書に『「事務ミス」をナメるな!』(光文社新書)、『防げ!現場のヒューマンエラー』『ヒューマンエラーを防ぐ知恵』(ともに朝日文庫)、『理系のための「即効!」卒業論文術』(講談社ブルーバックス)、 『情報漏洩 9割はあなたのうっかりミス』(日本経済新聞出版社)などがある。
企画担当
上野 由紀子 DMG 森精機(株)