一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会の活動内容は以下の通りです。
公益事業
1)TCシンポジウムの企画開催
全国規模のシンポジウムを企画して、東京(2日間)と京都(3日間)の2会場で開催します。他の関連団体とも連携し、共同研究の成果を公開するとともに、学習、交流の機会として、参加者の規模は毎年千数百名におよびます。ボランティアベース(実行委員会方式)で運営され、日本におけるTCのトレンドセッターとして、海外のTC関連団体からも注目されています。
2)マニュアルコンテストの企画開催
「日本マニュアルコンテスト」を毎年開催し、マニュアルをはじめとする使用情報の優れた作品や成果物を表彰することによって、制作技術、評価技術の向上に寄与します。ボランティアベース(実行委員会方式)で運営され、日本における唯一の使用情報表彰制度として定着しています。評価基準の見直しや募集分野の改編を重ねることにより、評価技術の向上にも貢献しています。
3)学術研究・産学協同の推進
使用情報の作成やテクニカルコミュニケーション技術に関する最新動向を探り、新たな課題を解決するために、複数のテーマを設定して研究プロジェクトを推進します。一般財団法人への移行に伴い、大学や公的研究機関と連携した産学協同プロジェクトを強化していきます。大学向け「TC専門課程制度」の創設と導入に向けた連携推進中です。
4)海外市場への対応
海外市場における各種製品の使用説明が準拠すべき規制や国家標準等について調査を行い、その成果の共有をはかります。2007年に発足した「中国市場小委員会」の活動を発展的に継承するものです。欧州市場においてはドイツのTC団体(tekom)と2008年から連携して情報交換を行っています。また、2010年から主要な国(10か国程度)のTC団体と年1回「TC国際円卓会議」を開催しています。
5)標準規格策定の推進
製品やサービスの安全で効果的な利用を促進し、テクニカルコミュニケーション技術の水準を高めるため、国内外の関連団体と連携して標準規格の策定に参画します。これまでも「マニュアル評価ガイドライン」、「標準電子マニュアルマークの策定」、「外来語(カタカナ)表記ガイドライン」、「IEC82079の改定」等、具体的な成果を残してきた活動を継続、発展するものです。
収益事業
1)セミナー事業
使用情報の作成に携わる人々の技能を向上し、人材を育成するため、セミナーや講習会など各種の研修機会を提供します。経験の浅い初級者向けの入門講座、中堅向けのステップアップ講座、TC技術の最新動向を取り上げる技術セミナーなど、幅広いプログラムを用意しています。
2)TC技術検定の企画開催
テクニカルコミュニケーターの技術レベルを全国統一基準によって認定する検定試験を実施します。2009年2月15日からマニュアル制作ディレクション、テクニカルライティング(初級、上級)の2分野、3種類の試験を実施します。
使用情報の制作環境の急速な変化や、TC技術に対する社会的要請の高まりに対応し、新たな人材を育成し供給する基盤として、TC技術検定試験制度の維持発展を目指しています。
- TC技術検定3級
- テクニカルライティング[TW]
- TC技術検定2級
- 使用情報制作ディレクション[DR]
- 使用情報制作実務[MP]
- TC技術検定1級
- 2017年現在、TC技術検定試験の枠組みを含めて検討中(2020年以降に設置予定)
3)受託事業
公益法人や会員企業からの受託により、調査研究や使用情報(取扱説明書、電子マニュアルなど)の個別評価を実施します。
4)出版事業
機関誌や技術検定試験向けガイドブックなどの出版を行います。
5)国際TC検定試験
ドイツTC団体(tekom)認定のTCTrainNetを活用した英語による学習(約200時間のe-ラーニング)と試験で国際的なTC資格取得を連携推進します。